振り返ろう。なぜ体重が増えてしまうのか?

太らないようにするには、適度な運動が必要です。運動をする目的は、カロリーを消費するだけでなく、筋肉量を増やし、基礎代謝量を上げるためでもあります。
カロリーが高いものを取り過ぎた上、活動が不足し摂取したカロリーを十分に消費できないと、太りやすくなります。脂質や糖質が多いものはカロリーが高く、消費しきれなかった場合、脂肪として体内に蓄積されます。
基礎代謝とは、体を動かしていなくても、体温維持や心拍、呼吸などの生きていくために必要なエネルギーのこと。一日の総エネルギー消費量の60%を占めるため、基礎代謝量を上げると消費エネルギーが上がり、やせやすくなります。そのため健康的にやせるには、バランスの良い食事と適度な運動の両面からのアプローチがとても大切になってきます。
ダイエット中の食事でおすすめな食材

- 野菜
食物繊維が多い食品は噛み応えがあり、噛む回数が増えることで満足感を得やすく、食べ過ぎを防止します。献立をたてるときは、緑黄色野菜と淡色野菜の双方が入るように工夫しましょう。
また野菜は、カロリーが低く、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なものが多いので、普段から積極的に取り入れたい食材です。

- 肉類
たんぱく質には、空腹感を抑えたり、筋肉の分解を抑制する作用があります。ダイエット中は、カロリーにばかり目が行きがちですが、たんぱく質を適量摂ることも忘れないでくださいね。
赤身肉は、低脂肪で高たんぱく、低カロリーなので、ダイエット中におすすめの食材です。牛肉や豚肉は、脂質が多いばら肉やロースより、脂質が少ないもも肉を選びましょう。鶏肉はもも肉より胸肉のほうが、高たんぱくで脂質やカロリーが低くヘルシーです。またもも肉は、皮や余分な脂肪を取り除くとカロリーを落とせますよ。

- 大豆製品
大豆のたんぱく質は、消化吸収に時間がかかるため腹持ちがよく、ダイエット中におすすめ。これらの作用は、大豆製品にも期待できますが、その含有量によって差があります。
また大豆や大豆製品は、カロリー、糖質ともに低く、ダイエット向きの食材です。大豆に含まれるサポニンには、脂肪が蓄積されるのを抑制する作用があります。

- 魚類
EPAやDHAには、血液中の中性脂肪を低下させる作用があります。白身魚と青魚をバランス良く取るようにしましょう。
タラやカレイなどの白身魚は、高たんぱく低脂肪でダイエット向きの食材です。一方で、アジやイワシなどの青魚は、白身魚に比べると脂質が多い魚。ダイエット時には敬遠される方も多いのですが、青魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3系多価不飽和脂肪酸は、体内で作れないため食事から摂る必要があります。

- 海藻類
多くの海藻類に含まれるフコキサンチンは、脂肪の消費を促進させる作用があり、肥満対策に役立ちます。
海藻類に含まれる水溶性食物繊維には、小腸での栄養素の吸収速度を遅くし、食後の血糖値の上昇を抑える作用や、コレステロールの排出を促し、血中コレステロールを下げる働きがあります。

- きのこ類
低糖質で低カロリーのきのこは、ダイエット時によく取り入れられる食材です。かさ増しや高カロリーな食材の代わりに使うと、カロリーを抑えることができるのでおすすめ。
また、しいたけに含まれるエリタデニンには、血中コレステロールを下げて、血流をよくする作用があります。ダイエッターには是非たくさん取りれて欲しい食材ですね。

ダイエット中の食事で意識したいこと

- 食べるタイミング
朝昼夕の食事は、規則正しく取ることが基本です。朝食は特に大切で、起床後1時間以内に、炭水化物やたんぱく質を中心に、しっかり取ることをおすすめします。時間栄養学では、炭水化物は体内時計を動かすため、朝に消費されやすいと考えられています。また、たんぱく質を朝に摂ると筋肉が大きくなりやすく、基礎代謝が上がり、やせやすい体を作ります。
夜遅くの夕飯は、肥満や生活習慣病を引き起こす原因となるため要注意。また、朝食をおいしく食べるためにも、夕食を食べ過ぎないようにしましょう。
- 食べ方
ダイエット中の食事を意識するのなら、ベジファーストがおすすめです。ベジファーストとは、食事の際まず野菜、海藻、きのこなどを食べ、次に肉、魚などのたんぱく源、最後にご飯などの炭水化物の順に食べる方法。水溶性食物繊維が豊富な野菜、海藻、きのこを最初に食べると、よく噛むことで満足感を得やすい上、血糖値の上昇を抑え、血中コレステロールを低下させる作用も期待できます。
また、ご飯の前にたんぱく質や脂質を多く含む肉や魚を食べると、インクレチン(消化管ホルモン)の分泌が促進されます。インクレチンには、GLP-1とGIPがあり、GLP-1には、血糖値の上昇を抑制する作用があります。一方GIPには、脂肪を蓄積する作用があり、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸により、分泌が促進されます。
そこで肉類よりも先に水溶性食物繊維を含む野菜を摂取すれば、肉類に含まれる脂質の吸収が抑制され肥満対策に期待できます。
- 食事量
性別、年齢、体格、活動状況などで個人差はありますが、一食あたり肉や魚は、手のひらに乗る程度の大きさで、厚みは手の厚みと同じくらい。野菜は、緑黄色野菜と淡色野菜を1:2の割合で両手3杯分が目安。加えて海藻類やきのこも取るようにしてください。ダイエット中もこれを目安に食事を取るようにしましょう。
ご飯は、一食あたり両手に入る程度のお茶碗に軽く1膳が目安。もしダイエット中に食べ過ぎてしまい、食事を減らすなら、夕食のご飯の量を半分にしてみましょう。夕食後は、活動することが少なく、エネルギーを消費しないまま眠ってしまい脂肪が蓄積されやすいため、夕食でコントロールするのがおすすめです。
- 間食
ダイエット中に、間食しても構いません。ポテトチップスや菓子パンのように糖質や脂質が多い食品は、避けるようにしましょう。もしチョコレートが食べたくなったら、カカオの含有量が高いものを選んでください。カカオポリフェノールには、抗酸化作用があり、活性酸素の除去が期待できます。
糖質が少なく、不足しがちな栄養を補えるものがおすすめです。たとえばチーズやヨーグルトのような乳製品は、たんぱく質やカルシウムが豊富。ナッツ類からは、ミネラルやビタミンが補えます。
- 食事にかかる時間
食事の際によく噛むと、満腹中枢が刺激され食欲の抑制作用が期待できます。時間をかけて、ゆっくり味わいながら食事をしましょう。ひと口の量を減らしたり、歯応えのある食材を使用したり工夫をすることも大切です。
ついつい早食いになってしまう方は、食事を口に入れるたびにお箸を置いて、ゆっくり噛むという方法もありますよ。一回で30回は噛むようにしましょう。
- 調理方法
調理方法はできるだけ油を使わず、煮る、焼くなどの方法がおすすめです。味付けは、薄味になるようにしましょう。濃い味付けは、塩分の摂り過ぎになるだけでなく、ご飯の食べ過ぎにつながります。
しかし、まったく油を取らないのも良くありません。ビタミンA、D、Eのなどの脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ると吸収しやすくなります。また油不足が、便秘の原因になることも。オリーブオイルやえごま油、亜麻仁油などの良質な油を適量取るようにしてください。
ダイエット中の食事で満腹感を得るには?

ダイエット中の食事で満腹感を得るには、ご飯に細かく切ったしらたきを混ぜて炊いたしらたきご飯や、低カロリーのきのこをたっぷり入れた炊き込みご飯は、いつもより少ないご飯の量でも満腹感が得やすいですよ。
また野菜やきのこ、海藻、大豆などの低糖質で、食物繊維が豊富な食材をしっかり取ることが大切です。食事の最初に取ると、あとから食べる肉や魚、ご飯などの血糖値の上昇やコレステロールの排出に作用するだけでなく、満腹感も得られます。
ダイエット中に飲み会に行ってもよい?

This is a photograph of asian people toast with 5 people
ダイエット中といえども、飲み会には参加したいですよね。会話を楽しみながら、ゆっくり料理を味わうようにすると、食べ過ぎ対策になります。もし食べ過ぎてしまったら、翌日の食事は、控え目にしましょう。
もしメニューを選ぶことができるのなら、まず野菜中心の料理でお腹を少し膨らませてから、ほかの料理を食べましょう。揚げ物のようなカロリーが高いものやお酒はほどほどに。
食事以外にも気をつけたいこと

- 規則正しい生活
先ほども述べたように、朝昼夕の食事を規則正しく取ることが大切です。眠りを促すホルモンであるメラトニンをスムーズに分泌させるためには、朝日を浴びたり、夜に明るすぎる環境を避けるようにするのもおすすめです。
また睡眠時間は、短すぎても長すぎても肥満につながりやすくなります。個人差はありますが、6~7時間を目安に睡眠を取るようにしましょう。
- 運動
やせるためには、やはり運動も大切です。ただし身体活動状況には、個人差があり、ひとりひとり違ってきます。そこで厚生労働省は、全年齢層に向けて身体活動量を増やすために、今よりも毎日10分ずつ長く歩くことを提唱しています。また30分以上の運動を週2日以上おこなうこともすすめています。
運動は、ダイエットだけでなく、筋力や身体機能を維持し、ストレス解消にもつながります。自分に合う運動方法を見つけて、継続出来る範囲で楽しんで続けましょう。
健康的に痩せよう!規則正しい生活で
健康的にやせるためには、まず規則正しい生活習慣を身に付けるようにしましょう。そのためには、バランスの取れた食事、適度な運動、睡眠が大切です。短期間で結果を出そうと、食事を抜いたり、カロリーが低い食品に偏ったりすると、リバウンドや体調不良を引き起こすことがあります。無理なダイエットは、やめましょう。
飲み会や外食を楽しみながら、ストレスをためないダイエットがおすすめです。もし食べ過ぎてしまったら、落ち込まず翌日から頑張るように取り組んでみましょう!